2008年8月に始まった世界的金融危機。

この時の金融危機で起こった急激な円高により、日本の世界的大企業であるトヨタやSONYも大きなダメージを受け、リストラや派遣切りを行なっていることが、当時は連日ニュースで騒がれていました。

その規模たるや、数千人~数万人というもの。
特に製造業で働く派遣・業務請負労働者は厳しく、2009年3月末までに40万人が失業すると言われたほど。

ちなみにこういう事態を招いたのは、前述の通り「急激な円高」。
円高とは、円の価値が上がること。
つまりは、日本の通貨の価値が上がったということです。

自国の通貨の価値が上がったのに、なぜ自国の経済が悪化するのでしょうか?

円高で日本国内の企業がダメージを受ける理由

一見、自国通貨である「円」の価値が高くなるならば、日本にとって良いように思えるもの。
しかし実際は、マイナスに働いてる。
それはなぜか??

その答えは・・・

国内の大手企業には「輸出に頼る企業」が多いからです。
そのため、円高のダメージをモロに受けてしまったのです。

なぜ円高が輸出企業にとってダメージが大きいかというと、、、

例えば、1ドル=100円だった時に商品を輸出し、アメリカでその商品が10ドルで売れたとします。
1ドル100円なので、10ドルで売れたら100円の10倍の1,000円になります。

しかし、円高が進んで1ドル=90円になってしまった場合。
全く同じ商品を作って全く同じように輸出して10ドルで売っても、90円の10倍の900円になってしまいます。

当然、商品を作るコストや運搬費用などは全く変わりません。(材料を国内で仕入れていた場合)
商品を作るコストは変わらず、円高によって生まれた「1,000円 - 900円」の差額の100円というマイナスだけが残る形となります。
当然、この100円は丸々損失となってしまいます。

逆に円安になって1ドル=110円になれば、10ドルで売れた場合は110円×10ドルで1,100円になります。
今までと同じ商品を作って同じように輸出しているだけ、つまりなんの苦労もしていないのに、逆に売上が100円上がるわけです。

以上が、輸出企業が円高でダメージを受ける理由(または、円安の恩恵を受ける理由)です。

円安時に日本の株価が上昇する理由

日本の場合、円安時に株価が上昇することが多いのですが、この理由も「日本の大企業はほとんどが輸出に頼る企業」だからです。

円安時には輸出企業が伸びる ⇒ 日本の大企業の多くは輸出企業 ⇒ よって国内の多くの企業が業績アップ ⇒ それぞれの企業の株価もアップ ⇒ 日経平均株価もアップ ⇒ その大企業の下請け会社も恩恵を受ける

・・・という流れで、円安時は好景気になりやすいのです。

なお、円安になると輸出が活発化し、日本に海外のお金が大量に入ってくることも、株価上昇の要因となります。
(円安になりすぎてもまずいのですが)

逆に円高時は、上記の流れと逆パターンを辿り、

円高時には輸出企業が衰える ⇒ 日本の大企業の多くは輸出企業 ⇒ よって国内の多くの企業が業績ダウン ⇒ それぞれの企業の株価もダウン ⇒ 日経平均株価もダウン ⇒ その大企業の下請け会社も煽りを受ける

となり、不景気が訪れやすくなります。

円安・円高と日本の景気についてのまとめ

以上のことから、日本では株価が上がると円安が進んだり(円安が進むと株価が上がったり)、逆に株価が下がると円高が進む(円高が進むと株価が下がる)わけです。

ただ、円高による不景気が訪れても、輸入企業だけは元気いっぱい。
円の価値が高くなったことで、従来より安く海外からモノを輸入できるようになるため、値下げが可能なのです。
これが世に言う「円高還元」

円高も、悪いことばかりではないのです。

国内の輸入企業と輸出企業のバランスが取れれば、為替相場にいちいち景気が左右される機会も減るのでしょうが・・・

それにしても、、、

円の価値が上がる「円高」の方が、国内の多くの企業にダメージを与えて、日本の株価を下げてしまうというのは皮肉な話ですよね。

FXを始めるタイミングとしては、円高時/円安時のどちらが有利?

FXを始めるなら、「円高時」と「円安時」、どちらに始める方が有利なのか?

一概には言えないことなのですが、個人的には「円安時」だと考えています。
実際そう考える人は多く、円安時の景気回復が見込まれる頃からFXを始める人が急増します。

理由は、円安時には為替差益に加えて、スワップ金利も得やすくなるから。

対円通貨でFX取引をする場合、売り取引ではスワップ金利が手に入りません。
むしろ払う必要が出てきます。

円高時は売り取引がメインとなりますので、当然スワップ金利を払う場面が増えます。

しかし買い取引ならば、スワップ金利が手に入ります。
特に高金利な通貨を選んで取引すれば、長い目で見れば相当な金額となるスワップ金利での収入も見込めることに!

円安時は買い取引がメインとなりますので、当然スワップ金利を受け取る場面が増えるので、「FXを始めるには円安時が有利」だと考える人が多いです。

FX取引を始めるタイミングは、人それぞれ自分の都合・タイミングに合わせて決めるべきですが、円安の時期が一つの始め時であることは確かでしょう。