「ストップ狩り」

嫌な響きですね・・・
「狩る」という言葉が、我々投資家に「お前らを食い物にしてやるぞ!」と言っているように聞こえるのかもしれません。

一時期、かなり話題になったFX会社側の悪質な手法とされる「ストップ狩り」
このページをご覧になっているということは、その被害に遭ったか、もしくは遭ったかもしれないとお考えの方が多いと思います。

ということで、

「ストップ狩りとは何なのか?」

「FX会社(業者)によるストップ狩りは存在するのか?」

「それはどういった手法なのか?」

について解説していきたいと思います。

本来の意味での「ストップ狩り」とは?

本来の「ストップ狩り」というのは、大手ファンドなどが意図的・戦略的にレートを調整しようとして仕掛けるものです。
※「大手ファンド」とは、大量の資金を運用する会社・機関のこと

例えば、ドル/円相場が長い事100円50銭付近をウロウロしているとします。
こういう場合、多くの投資家が「100円」というキリのよい値を意識してしまうもの。

「100円中盤に長い事滞在しているなぁ・・・ となると、100円という大台を割ったらそのまま下がっていきそうだ。 よし、100円まで下がったら売ってしまおう。」

こう考えるのが多くの投資家の心理です。
そして、特に間違った考え方ではありません。

これらの要素を鑑みて、100円を少し割ったあたり、具体的には「99円90銭」「99円80銭」といったあたりに損切りの設定が集中しているだろうと予測し、大手ファンドが大量の売り注文を仕掛け、意図的にドル/円を下げにかかる場合があるのです。

大量の売り注文があれば、当然相場は下がる。
資金力によっては、100円50銭あたりにいたドル/円を99円80銭といった値まで下げることも充分可能。

そうなると、ドル/円を買っていた多くの投資家が損切りとして設定しているであろう値に引っ掛かる。
これにより、大量の売り注文が入る。
ドル/円で大量の売り注文が入れば、当然ドル/円はガンガン下がる。

・・・という流れを辿り、それを狙って事前に大量の売りを仕掛けていた大手ファンドは大儲け、となるわけです。
売りポジションを持っていた場合、相場が下がれば下がるほど儲かるのですから。

かつ、これは意図的な大量の売り&損切りに引っかかっての大量の売りなので、本来の相場状況とは釣り合わないものとなります。
つまり、ドル/円相場がかなり割安になっている、つまりは絶好の買い時が訪れているということ。

これを狙って、大手ファンドはここで買いに転じます。
これにてまた一儲け。

これが、本来のストップ狩りの全貌です。

しかしこれだけなら、特に何も問題はありません。
資金力にモノを言わせて相場を上下させることが道徳的にどうなのか?という議論はさておき、少なくとも何も不正はしていません。

FX会社によるストップ狩りは許されるものではない

大手ファンドが行なうストップ狩りは、まあ仕方がないというのはご理解いただけたと思います。

そもそもファンドがストップ狩りをやる場合、あくまで「このあたりに損切りの設定が集中しているだろう」という予測のもと行なっていることですから、失敗することもありますし。
すべての投資家がどこに損切り設定しているかなど、知る術はありませんので。

この予測を誤り、大量の資金をつぎ込んでの仕掛けに失敗すれば、ファンド側が大きな痛手を負います。
リスクを取ってやっていることならば、とやかく言う事ではありません。

問題なのは・・・

このページのキモでもある、「FX会社によるストップ狩り」です。

これに関しては、大いに問題がある・・・というか、完全にアウトです。
もしやっているのなら、悪質業者として認定すべきなくらい。

何しろFX会社は、顧客の注文内容をすべて把握しているのですから。
顧客に不利なストップ狩りをやろうとすれば、いくらでもできてしまうのです。

FX会社による「ストップ狩り」とは?

そもそもFX会社の収益というのは、「1取引ごとの手数料であるスプレッド」
なので、会社としては投資家たちに1回でも多く取引をしてほしいのです。
長々とポジションを持たれるより、持ったポジションをさっさと決済してくれる方がありがたいわけです。

となれば、

「損切りとして設定されている値にあと少しで届きそう」

という状況であれば、管理画面上の相場を操作し、一瞬だけグッと相場が動いたように見せかけ、損切りラインに引っ掛かってしまったということにすれば決済が完了します。

決済が完了してしまえば、投資家も次の取引へと移行しやすいので、FX会社側としては目論見通り、となるわけです。

これは、本当に悪質な手法。
本来ならばまだ損切りラインに達していないのに、FX会社側の都合で勝手に決済されてしまうのですから。

そしてこのストップ狩り。
最も厄介なのが、

「FX会社側によるストップ狩りを、ユーザー側が立証するのはほぼ不可能である」

という点。

どんなに不自然なことが連続しようと、FX会社側から、

「システムの仕様です」
「ストップ狩りなどやっていません」

と言われたらそれまで。
こちらから反論のしようがありません。

どういうシステムになっていて、その時にどういう処理が行われたかなど、こちらからは知りようがないのですから。

ユーザーにシステムの中身が公開されることなどありませんし、どこまでいっても「疑惑止まり」なのです。

ファンドが行うストップ狩りと違い、FX会社の場合は「自社の顧客が設定している損切りのレート」をすべて把握できる立場にあります。
よって、やろうとすればピンポイントでのストップ狩りをやり放題なわけです。

だからこそ、FX口座は「ここなら信用できる」という口座を選ぶべき。

当サイトに掲載しているFX口座は、そうしたあたりも考慮して掲載しているので、ストップ狩り対策も視野に入れる場合は是非参考にしてみてください。

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